4月1日の告白



最初アタシは、バスで海水浴場に行くと思っていたために


自転車置き場の前で千夏ちゃんが


“到着♪”


と言い出したときは、何を言っているのかと思った。


これは、どうやらアタシ以外の全員が知っていたようだった。



『ここにね、うちの彼のと正くんの自転車があるから。それぞれ乗せてもらうっつーことで♪』



千夏ちゃんは早口にそう言うと、

彼の自転車の後ろにヒョイと乗ってアタシにピースする。



「え…でも…アタシ重いから、正こげないかも」



アタシは躊躇って後ずさる。



.
< 83 / 139 >

この作品をシェア

pagetop