4月1日の告白


かすかに、

自転車が悲鳴をあげたような気がするのはアタシだけだろうか(汗)



「だ、大丈夫??重いでしょ??こげる??」


心配するアタシの声は正の耳に届いていなかった。


いきなり自転車は発進し、

慌ててアタシは正の肩をつかむ。



二人乗りって初めてだけど、こんなに怖いモノとは知らなかった…



正は、アタシを楽しませるつもりなのか

はたまたからかうつもりなのか



微妙にぐらぐらとわざと不安定な運転をする。



そのたびに、アタシは正の肩をつかむ手に力を入れた。





――まるで自分たちが風になったみたいだった。



今までフツーの住宅街だったものが、

急に楽しいテーマパークみたいに思えた。





このときに感じた、大きな興奮とワクワクは今でも鮮明に覚えている。



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