4月1日の告白


とりあえず救急車に一緒に乗せてもらい、

ライフセーバーから話を聞いた看護士に話を聞く。



「どうしてですか!?正たち、何があったんですか!?」
『うちも知りたいです!!』



そうして詰め寄ったときに、初めて涙がこぼれた。


救急車に乗って改めて実感が湧いたのだろう


アタシも千夏ちゃんも、涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになるのも構わないで


看護士にすがりついた。


看護士は、
仕方なさそうに口を開く。




『こっちの、色白の子が急に足をつらせて…溺れたところを、この子が助けようとしたみたいよ。でも、沖だし、自分と変わらない体格の子を浜まで連れていくなんて…そうそう出来ないわよね』



看護士さんは、

淡々としていた。



こんなケース慣れっこなのだろうか?


でも、その多くのケースの中に

正たちが当てはまることになるなんて

とても…

とても、信じられなくて。



それ以上、救急車の中では誰も口を開かなかった。



アタシは1人でずっと止め処ない涙を流した。


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