恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「そっか、それならいいが……。一子は高校バレーの“ノッポ王子”のファンだったろ? よく新聞の切り抜きをスクラップしてたじゃないか? あーいう健全な感じの少年なら、父さんだって大歓迎なんだがな」
「ダメだよ、ノッポ王子にはカノジョがいるから」
「それは残念だったな。けど、だからって間違っても歌舞伎町のホストになんか熱を上げるんじゃないぞ」
「分かってる、って。父さんってホント心配症なんだから」
「年頃の娘を持つ親なら、どこの親でもこんなもんだ」
「心配してくれてありがとう。じゃあ、あたし、まだ宿題残ってるから」
「すまん。勉強の邪魔して悪かったな」
それだけ言うと、おとなしくあたしの部屋から出ていく父。
ひとりになった部屋の中で、おフロ上がりでノーブラなのに、胸が、父にウソをついたことへの罪悪感で締め付けられた――――
× × ×
次の日曜日の朝。