恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~


なんか知らないんだけど、あたし、ママにならなんでも気軽に話せちゃうんだ。

本当のママ……つまり、あたしを産んでくれた母親には話せないようなことでもヘーキで話せちゃう。

これは勝手なイメージだけど、オカマのヒトって、どーいう内容の話をふっても受け止めて、ちゃんと聞いてくれそうな、ミョ~な安心感みたいなものがあると思うんだよね。

例えばM輪A宏さんとか。あ、あのヒトはオカマじゃないか……。


「あたし、実は1度でいいから行ってみたいラーメン屋さんがあって……でも女のコひとりじゃ、中に入る勇気がなくて……だからミュウトに一緒に食べに行ってほしい、ってメールでお願いしたら、ミュウト、なんて返信してきたと思う?」

「喰いたきゃ、お前ひとりで行け」

「当ったり~♪ どうして分かったの?」

あたしには不思議でならなかった。

「だってミュウちゃん、“ねこ舌”だから、熱いモノが苦手なのよォ」

「えっ、ミュウトってねこ舌なんだ? ひょっとしてフーフーして冷まさないと、熱いもモノが食べられないとか?」

「まさに、そのとおりよォ」

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