恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「アイツ、ノラねこを助けるとか言ってるクセして、ホントはアイツ自身がねこみたい……ってか、ねこそのものって感じじゃん♪ 普段はニンゲンの姿してるけど、実はその正体はねこだったりして♪ ウケケ♪」

「案外ソレ、当たってるかもよ♪ ウフフ♪」

マンゴーママはちっとも否定せずに笑った。


「ミュウちゃん、ホント、クレイジーなくらいのねこ好きだからねェ。そのせいで前に警察の厄介になったこともあって、アタシが身元引受人になったこともあるのよォ」

「えっ! 警察っ!」

ママは笑顔だったけど、警察沙汰になったと聞いては、あたしの心中は穏やかじゃない。

「チーマーっていうの? 若い不良のコたちのグループがノラねこを虐待してるのを知って、“お前らがねこにしたのと同じことやってやる!”って言って、ひとりで何人もの不良を相手に乱闘騒ぎを起こしたのよ」

「そ、それでどうなったのっ?」

「現場を目撃してたヒトの証言で、最初に手を出したのは不良たちだったって分かって、ミュウちゃんは翌朝には釈放されたわよ」

「へぇ、アイツ、そんなアツイところもあるんだ……」


あたしは今まで知らなかったミュウトのまた別の一面を知ったような気がした。

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