恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「今日はミュウちゃん、まだ来てないけど、もしアレだったら、アタシ電話してあげよっか? “今スグ、ココに来て”って」
思いがけないママからの提案だった。
「えっ、いいの? ママ」
「だってアンタ、ミュウちゃんに会いたくてワザワザここまで来たんでしょ? だったらひと目会って帰んなさいよォ」
「あ、ありがとうママ♪ けど、あたしがココにいるってのはナイショにして。あたしがいるって分かったら、ミュウト、警戒して来ないかもしれないから」
「オッケ~♪」
それから約30分後―――
「ウィ~ッス」
そう言いながらミュウトが『禁断ノ果実』のドアを開いて、あたしの前に姿を現した。
あゆみセンパイに噴水に突き落とされたとき以来はじめて見る彼の姿だった。
“ものもらい”はもう治ったのか眼帯はしていない。
あたしに引っかかれた頬のキズも治ってる。
「いらっしゃァ~い♪」