恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
なんか話そうっ。


なんでもいーから、とにかく話すことはないかって、あたし、頭をフル回転させる。


だけど……、


だけど、あんなに話したいことがあったはずなのに、頭の中が真っ白だった。

こんなことになるんだったら、メモ紙かなんかに話したい内容を書いた“カンペ”でも持ってくるんだった。


あ~ァ、あたしってサイアク…。

思いっきり自己嫌悪……。


そして……、


「………」


そして結局、再び黙り込んでしまう。



「…んだよ、しょーねぇな。ハナシがねぇんなら、オレがハナシをしてやろっか?」


「うん、うん♪ して、して♪」

あたしは彼の提案に飛びついた。
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