恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
そして、お客さんの中に責任をもって、ねこたんの生涯をお世話してくれるヒトがいれば、そのヒトにお願いすることもある、ってこと等々が書かれてあった。


「会えなくなってしばらく経つけど、相変わらずだね♪ 名古屋に帰っても、ねこたんとニンゲンのあいだの架け橋になろうと頑張ってんじゃん♪」

あたしは画面の中の、ミュウトの顔写真に向かって話しかけていた。

「頑張ってれば、どっかで誰かが見てくれてるよ。そんで、いつかイイコトあるよ。だから、これからもミュウトはヒトの目なんか気にしないで、ミュウトはミュウトらしく、まっしぐらに自分の道を突き進んでいってね。あたし、東京の空の下から応援してる。じゃあね、頑張って、ミュウト☆」


気がつくとあたしの頬を涙が伝っていた。


“ねこアレルギー”のあたしを泣かせるなんて、やっぱミュウトは“ねこ”だと思う。

たぶんミュウトのページを見る度に、これから何度も泣くんだろうと思う。


「好きだよ、今も……センパイの次に……」

そうつぶやいたのは、今夜も星ひとつ見えない東京の紺色の空の下だった―――――



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