恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
“いつかセンパイに名前を呼んでほしい”なんて妄想ばっかしてたから、幻聴が聞こえてきたんだよ、きっと。

あたし、そーとーヤバイかも……実際には聞こえない幻聴が聞こえてくるなんてさ。


あ~ァ…。思いっきしぬか喜び……。

“あたしのことが好きなんじゃないか?”

…なんて勝手に喜んで、一人でドキドキして……。

なんか、あたしってバカみたい……。


そんな、おバカのあたしに向かって、センパイがまた言った…、



「えっと……わんこちゃん……だよな? オレ、名前まちがってねぇよな……?」



「エ…? うん……いえ、アッ、ハイ、まちがって…まちがってなんかないですっ」



まちがってない。

まちがってないっ。

まちがってないっ!


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