恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~

「お前さ、そんなカッコで新宿の街を歩くつもり? オレだったら恥ずかしくて舌かんで死ぬな」



「あたしだってッ!!!!」



言い返した声が思ってた以上に大きくて、自分でもビックリしてしまう。

「あ、あたしだって……」

だから今度は声のボリュームを落とした。

「あたしだって恥ずかしくて人前に出られないよ……このままじゃ、あたし、家にも帰れない……もし家に帰れたとしても、こんなカッコで家に帰ったら、親に“なにがあったの!?”ってビックリされると思うし……」

親には心配かけたくない。

親の前では、あたし、いつも“いい子”にしてるし。

……って、別に、親の見てないところでメチャクチャやってるってワケじゃないけど。



「ねぇ、どっか、服をちゃんと乾かせるとこ、知らない? できればヘアースタイルもセットしなおしたい」

「コインランドリーに行けばいんじゃね?」

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