恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「“助けてニャン”って……お前さ、言ってて恥ずかしくね?」

さっき一瞬たじろいだはずの彼が、もういつものヒトを小馬鹿にした感じに戻ってる。

もちろん、あたしだって恥ずかしかった。

恥ずかしさで顔がポッポッと沸騰したように熱く火照って、まさに顔から火が出るほどの恥ずかしさだった。


でも……。


「あたしを助けてくれないと、恥ずかしい思いをするのはあなたのほうだニャン」

「え?」

「助けてくれるまで、あたし、ずっとあなたに付きまとってやるニャン。そんで、ところかまわず“ニャン、ニャン”言ってやるニャン。どう? 恥ずかしいでしょ? こんなコと知り合いだと思われたくないでしょ?」

「……ってお前、脅迫するのか?」

「脅迫じゃないニャン。かわいいねこたんが、ねこ好きのやさしいイケメンさんに、助けてほしいってお願いしてるだけだニャン」

「おいおい……」

露骨に迷惑そうな顔をする彼。


でも、ここで引き下がるわけにはいかない。

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