恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
捨てねこあるところに謎のイケメンあり。
一時はマジでホームレス女子高生になるしかないのか、って路頭に迷ってたあたしだけど、ねこ好きの謎のイケメンに3匹の捨てねこと一緒に拾われたあたし。
今はねこたんの入ったダンボール箱を胸に抱いて歩く彼の後ろから、着かず離れずの距離で付いて行っているあたし。
場所は新宿・歌舞伎町。
言わずと知れた日本最大級の歓楽街。
あくなきニンゲンの欲望を満たすために、アノ手コノ手のいかがわしい雰囲気200%のお店が連々と軒を連ねるところ。
原色カラーの派手なネオンサインがギンギンに輝いていて、露出度の高いカッコをしたおねーさんたちがいて、そんで怪しげで強引な客引きたちが、ホロ酔い気分のサラリーマンたちを、いかがわしい空間へと引きずりこもうとする街……それが世間一般での歌舞伎町のイメージだと思う。
けど、それはあくまで日が落ちて夜になってからのこと。
日曜日とはいえ、さすがにまだ午前中とあっては、まるで豪華絢爛なライブステージの舞台裏を見ているみたいで、怪しさもなければ、いかがわしさもない。なんかおマヌケな感じさえする。