あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
文字と。


もうひとつ刻まれていた日付の意味するもの。


それは確かに15年前の。


あたしの誕生日の日付で。


「どうして?
どうして、みぃちゃん達の結婚記念日じゃないの?」


普通なら絶対にあり得ない日付を見たあたしの疑問は、当たり前の事だと思う。


なのに。


「やっぱり、変かな?」


なんて、首をかしげちゃうヨシ君って!


ちょっと不思議すぎだと思う。


「それを説明するには、ちょっと遠回りな話から始めないといけないんだけどね?」


穏やかな笑顔のまま、ヨシ君はそんな風に前置きして話を始めた。
< 103 / 185 >

この作品をシェア

pagetop