あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
「正直、俺に赤ん坊の世話みたいな繊細な事出来ないだろ?
しかもあの頃は今よりもっと海外にしょっちゅう行かなきゃいけない仕事ばっかでさ。
だから美樹が育ててくれた方が安心出来るかな、とか考えて。
いっぱい美樹に迷惑掛けて、そうしたってのに。」


みぃちゃんはそこで口ごもる。


「ヘタレな俺は、『未来ばっかり美樹と一緒でズルい』なんてな。
改めて口にすると、ほんっとに情けないよな。」


はあ、と溜め息をつきながらみぃちゃんは鼻の頭を掻く。


ちょっとうつむき加減のその表情とかが、大好きな飼い主さんに叱られちゃった大型犬みたいで。


あたしはふふっと笑ってしまった。
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