あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
だって2人は。


みぃちゃんの線の太い指先がつまみ上げた指輪をじっと見つめていて。


その視線は指輪に注がれてはいるんだけど。


でもきっと2人の見ているのはあたしの知らない過去の『その時』で。


それを知らないあたしには、言葉を発して今の空気を乱す事もしちゃいけないような気がして。


だからあたしは。


「本物の僕達の絆は、簡単には持ち運び出来ないからね。
だからコレはその代わりに身につけていられるものとしてプレゼントしたんだよ?」


2人が熱い視線で見つめている指輪への、ヨシ君のコメントにちょっと言葉を失った。
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