あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
そう尋ねてしまったあたしに。


みぃちゃんとヨシ君はちょっと視線を交わしあって。


そして小さく笑みを浮かべたヨシ君がゆっくりと口を開いた。


「未来さんが僕達の宝物だから、だよ。」


あたしとしっかり視線を合わせてくれたヨシ君の、やわらかな口調で語られる言葉があたしの耳に届く。


「実はあの頃の僕達にとって、赤ちゃんが産まれるなんてとびきりの奇跡が起きない限りありえない状況だったんだ。」


ゆっくりと穏やかな声で続けながら、ヨシ君はちらりとみぃちゃんを見る。


それに応えるように頷いたみぃちゃんに、ヨシ君も小さく頷き返す。


「なのに未来さんは産まれてきてくれた。
僕達にとってはそれだけでもう充分宝物だったんだ。」
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