あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
心の中で文句を言ったのが聞こえたハズはないんだけど。


「お?
未来はっけーん。
久し振りだから、迎えに来たぜー。」


低いくせに、よく通る琥珀色の声であたしの名前を呼びながら、長い足を最大限活かしてあっという間に近付いてくる。


この声も、顔も。


あたしに関係ない人だったら、大好きになれたんだろうな。


チラリとそんな事を考えながら、あたしは校門の前に仁王立ちになって。


更に腕組みまでしながら、おもいっきりしかめっ面をして見せた。


「真っ当な社会人なら、会社にいる筈のこんな時間にどうして此処にいるわけ?
みぃちゃんってばお仕事は?」
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