あたしの好きな人【短編と名乗っていい頁数かな?】
「行こ?」


どこに、なんて言わなくても解るハズ。


「きっと待ってる。」


うん。


ヨシ君なら絶対に待っていると思う。


だから、早く連れていってあげなきゃ、ね。


カッコよくって、頼りになって、自信家で、ちょっぴり弱虫なこの恋人を。


帰国してすぐに駆けつければいいのに、あたしに気を使って迎えに来てくれて、そこで勝手に不安になっちゃう、ちょっと情けない恋人が来るのをヨシ君はきっと今か今かと待っているに違いないから。


だから。


「早く会いたいんでしょ?」


あたしが連れていってあげなきゃ、ね。
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