君に…
ちょっと癖っけ気味な僕の髪の毛は、すぐにクルクルとはねてしまって、油断をしてるとあっという間に鳥の巣みたいな状態になってしまう。


一生懸命に撫で付けても、濡れちゃうとすぐにぐちゃぐちゃになってしまうのがイヤで、僕はターバンタイプのヘアバンドを以前から愛用していた。


でも。


あんまり君にバレたくはなかったんだけど、なぁ。


案の定、僕がつけているところを想像しているに違いない君のニヤニヤ笑いがどんどん大きく育っているし。


「笑ってくれてもいいけどね?」


無理に我慢して肩を震わしているより、正面から笑われる方がまだいいよ。
< 15 / 49 >

この作品をシェア

pagetop