君に…
なのに君ったら笑っちゃ悪いし、なんて言いながらもずうっと笑いをこらえてる表情のままだし。


君がそんな態度なら、僕の態度だってこうなっちゃうんだからねっ!


僕は手にしていたターバンタイプのヘアバンドを一度すっぽりと首まで下ろすと、グイッと持ち上げていつもの洗顔の時の僕の姿になって見せた。


そしてきっと腹筋を震わせているに違いない君の上におおいかぶさってしまうぐらいに近付いた。


「どう?
似合ってる?」


どうせ誰に見せるわけでもないからと、安売りのカゴの中から選んだ真っ赤なターバンなんだけど。
< 16 / 49 >

この作品をシェア

pagetop