君に…
だから普段あんまりおめかしなんかに縁がない僕達も、ふたり揃ってドレスアップしてみていたりして。


で、それでものすごく気疲れしちゃうだろう事まで見透かされていたらしくて。


君のおばあ様の別荘を一晩お借りするに当たって、あえて誰も入れないからね、って言われていた。


だから普通ならお手伝いさんがいるはずの別荘なんだけど、今回は食事や部屋なんかも用意だけしてくれて。


そして僕達ふたりだけにしてくれていた。


「だから僕がお湯を溜めてくるよ。」


君はもう少しここで休んでいてね、って続けながら行こうとする僕は君が伸びをしながら言った言葉に足を止めてしまった。
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