エリートなあなた2


見た目だけに騙されると、あとで取り返しのつかないことになる。


だから俺は、もう二度と誰も信じない。……信じられる訳がなかった。


自分の武器を最大限に行使して、裏側の本音を隠して近づいてくるヤツは嫌いだ。


大切なモノほど、失ったあとにその大きさに気づくと学んだ以上は……。



「このっ、瞑想オトコが!」

耳元で大きく響いた声は、苛立ちを存分に含んでいた。


それを余すことなく込められた声とともに、頭に平手打ちがクリーンヒット。


「…ッテェ!」

不意の痛烈な攻撃にはなすすべもなく、片目を瞑って頭を擦るとは情けないものだ。


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