エリートなあなた2


さらに重要書類は常日頃から役員室へ上げる方であるため、すぐに携帯のアドレスで見つけた名前に発信をかけた。


「――あ、絵美さん?いま秘書課です?」

「はいはい、そーよ」


『“もしもし”は要らねえよ』とせっかちな彼女のご要望通り、いつでもすぐに用件へ入るのがセオリーだ。



「すみません、部長室にマネジメント課の報告書類があるはずなんで、」

「――探して来いと?そして持って来いと?」


「…ご名答」と答えたところ、俺の現在地を聞かれてそのまま電話が切れてしまった。


役目を携帯は持参した物の上へ乗せたところ、コンコンと向こう側からノック音が響く。


返事のあと現れた若い女性社員に、営業部長が打合せが長引いて15分遅れるという。


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