エリートなあなた2


客観的に見ると試作部は正直言って、憧れと生半可な覚悟では働いてはいけないだろう。


現に中途入社や志願して別部署から異動した人間の大抵が、あまりの激務ぶりに半年以内には会社を去っていく。


それほどキツくて高度な仕事内容、だからこそタフな優秀者が必然と揃った場でもある。


順々に話が進んでいく中、ようやく新たな課の名前が“構造課”になると決定した。


「……ところで部長、」と、手を上げた1人へ周囲の目は一斉に向く。


「課をスタートさせる時は一体、どなたが担当するのかと」


「ああ、それについては検討中だ」

誰もが気にしている問いかけに、返ってきた部長の答えは抽象的なものであった。


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