不良姫×不良王子
あ゛!?!?
今、俺がこいつに話しかけてんだよ!!
誰だよ!!!
そう思い、視線を女から
声がしたほうに移すと、
…そこには――
「…永田陸也…か…?」
「ご名答。
……おい、姫希。こっちこい。」
姫希…そう呼ばれた女は、
永田の登場に
少しびっくりした表情をしたが
すぐに元に戻ってチョコチョコと
永田のほうに歩いていった。
「…こいつがぶつかって悪かった。」
そう言って永田が頭を下げた。
いやいやいや…
Roseの副総長って
人に頭下げるような
男じゃないよな…?
ましてや、敵の俺なんかに……
「姫希。行くぞ。」
「う、うん。」
永田は足早に俺の横を
通りすぎていき、
女は…高村は俺と
すれ違いざまに軽く頭を下げて行った。