不良姫×不良王子
傷
「…え…っと…
龍はなんて言ってたんだっけぇ?」
1人になった病室に
あたしの声がやけに響く
「あたし…遊ばれてたんだ…
そりゃ…そうだよね…
あたし、敵…っだもんね…」
ちょうどいいおもちゃだったんだ
独り言を言うあたしの頬には
涙が通っていた…
「……あ、はは……
あたしはからかわれてただけなんだ…
なにを期待しているのやら…」
あたしは気づいてしまった
龍にからかわれていたとわかって
こんなにも傷ついている自分を感じて…
「…あたしは…龍が、好き…っなんだ…」
1人寂しい病室にあたしの声が響いていた