不良姫×不良王子





「あ、龍わりぃわりぃ…
いきなりのことで驚いちまった
んで…女を傷つけちゃったわけ?」


「…たぶん。」




むくっと起き上がって2人を見た
未だにぽかんとしてるのは放っておこう




「うーん……
どういう理由で傷つけたわけ?」


「勝手にキスして、なんでって言われたから
なんかパニクって面白いからって……」



「…さ、さいていだっ!!」



「さすがに俺もそれはいわねぇよ……」




口々に俺を罵っていく2人
やっぱりマズイ発言だったか…




「龍、謝ったの?」


「たぶん…一応?」


「それ駄目じゃね?
今、俺たちに言ったことを
相手の女に伝えてねぇんだろ。
ぜってー泣いてるな、その女」





…泣いてる…姫希が?


そんなの…絶対やだ…





「明日…会いに行く予定だったから
ちゃんと言ってくる。」



「おうっ!!男になってこい龍!!」



「応援してるぞ」



「ん、さんきゅ。」




携帯を見ると日付が変わっていた



「…とりあえず帰るわ」


「おっけ。…頑張れよ」


「じゃーな。」




2人に見送られて俺は屋上を出た





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