不良姫×不良王子
事故
―1時間前―
…ぷるるるる…ぷるるるる…
「…んだよ…誰もいねぇのかよ…」
俺は小さくため息を漏らしながら
鳴っている電話の受話機を取った。
「はい。もしもし。」
「あっ。もしもし。
菅野さんのお宅でしょうか。」
「…はい。そうですけど…うちになにか?」
「え~…中央警察署のものですが…」
(警察…?姫のやつ…
またなんかやらかしたのか…?)
「…警察の方がうちに
どのような用件で…?」
「その…申し上げにくいのですが…
今から中央病院に来てくださるでしょうか…?」
「…なにかあったんですか…?」
「いえ…その…菅野姫希さんと
山代陸也さんが事故に遭いまして…」
「…はっ?…だって
さっき姫希たちが出て行って…」
「とにかく…すぐに来てください」
「わかりました…。」