あの日の空を,もう一度…

休み時間。


私の席に回りに集まってくる人は,いなかった。



それどころか,近くの席の人は授業中も席をなるべく遠くにし,私に近づかない努力をしている。



みんなして…

私をバイ菌扱いして…!!



そのときは,悲しいというより悔しいという気持ちのほうが強かった。





ガタンっ!


私がトイレに行こうと立ち上がったとき,肩がクラスメートの男子の背中に当たった。


「あっ…ごめ…」

「うわっ!やべぇ俺エイズなんかなりたくねぇよ!!」


「きったねー…」



「…っ!?」


悔しい!

なんでこんな扱いを受けなきゃいけないの!?


私は…なんで嫌われなくちゃいけないの!!?




バァンッ!!!



ものすごい音がした。


…葵が,机を叩いた音だった。


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