あの日の空を,もう一度…
三人は友だち関係が難しいってよく言うけど,私たちには全然そんなことなくて。
私からすれば,
どっちも大好き。
どっちも大切。
どちらか一人なんて,選べない。
本当に,自分より大事な存在。
「葵ー!!こっちおいでよ!!」
既に裸足になり,波と遊んでいる芽依美に呼ばれる。
「…今行くよー!!」
私もサンダルを脱ぎ,愛結のサンダルの隣にきちっと並べた。
「わっ…冷たい…」
海の水は,真夏だというのに氷のように冷たく感じた。
しかし,それはほんの一瞬で,
その後海水は汗を掻いた私の体を涼めてくれた。
「キモチいーね!!」
手で水をすくい,三人でかけ合う。
このとき,私たちは―
忍び寄っていた悪魔に気付く事が出来なかった。