あの日の空を,もう一度…
ねぇ、神様。
なんで芽依美なの。
もっと、死ぬべき人間はゴミのようにいるのに。
なんで、こんなにも精一杯行き続けようとする人を苦しめるの。
オカシイと、思わないの?
どのくらい時間が経っただろう。
私は、あのまま病院の廊下で泣き続けた。
となりには、愛結の姿。
もちろん、泣いている。
おばさんとおじさんは、医者に連れられ芽依美のいる病室に入っていったっきり、戻ってこない。
私は、愛結の隣に腰掛けた。
黒いソファは、ひんやりと冷たかった。
私の右手に、涙が落ちる。
その上に、温かいものを感じた。
愛結の、手だった。
私たちは、しっかりと手を握り合い、時間が過ぎるのを待った。