あの日の空を,もう一度…



ねぇ、神様。



なんで芽依美なの。





もっと、死ぬべき人間はゴミのようにいるのに。


なんで、こんなにも精一杯行き続けようとする人を苦しめるの。




オカシイと、思わないの?






どのくらい時間が経っただろう。


私は、あのまま病院の廊下で泣き続けた。



となりには、愛結の姿。


もちろん、泣いている。



おばさんとおじさんは、医者に連れられ芽依美のいる病室に入っていったっきり、戻ってこない。



私は、愛結の隣に腰掛けた。



黒いソファは、ひんやりと冷たかった。


私の右手に、涙が落ちる。


その上に、温かいものを感じた。




愛結の、手だった。


私たちは、しっかりと手を握り合い、時間が過ぎるのを待った。



< 42 / 63 >

この作品をシェア

pagetop