あの日の空を,もう一度…
しばらくして、部屋から出てきたおばさんに声をかけられた。
「葵ちゃん、愛結ちゃん。最後に、芽依美に会ってあげて」
最後?
最後なの?
「お願い…」
動くのを躊躇っていた私たちに、おばさんは強い瞳で言った。
割烹着を着せられ、マスクをして帽子をかぶり、手袋をして中に入った。
そこには、ケースに入れられ身体のあちこちにチューブを通された芽依美の姿があった。
「芽依美…」
恐る恐る、話しかける。
返事は、ない。
「まだ…逝かないで」
隣で愛結が涙を流す。
「ずっと一緒にいたいよっ…」
愛結の言葉に、私の目からも涙がこぼれる。
「なんか言ってよぉ…!!」
そのとき、私には聞こえたんだ。
【ごめんね】
って。
芽依美の声で。