あの日の空を,もう一度…
#12 おいて逝かないで
芽依美がいなくなって一週間。
私たちは、いままで学校も休んで部屋にこもっていたけど、いつまでもこのままでいれないと思い、今日からまたいつもの日々に戻る。
「おはよう、愛結」
「…おはよう」
お互いに呟き、無言で歩き始める。
これといった会話はない。
ただ、黙々と歩き続けた。
考えていることは、同じだったけど。
学校に着き、教室に入る。
クラスが、一瞬しらける。
この様子だと、先生から聞いているっぽい。
「大丈夫?」
後ろの席の安東 萌(あんどう もえ)ちゃんに声をかけられる。
「うん」
首だけで返事をした。
実は、あまり大丈夫ではない。
いや、大丈夫なはずがない。
あの日からご飯はちょっとも食べていないし、なにをする気も起きない。
ほとんど寝てないし、私は抜け殻のようになっていた。
おそらく、愛結も。
まわりは、あえて何も言わなかった。