あの日の空を,もう一度…
そして、私の目に飛び込んできたのは…
泣きながらカミソリを自分の手首に当てている、愛結の姿。
「ちょっ…!何やってんの!!?」
私は愛結の手から、カミソリを奪う。
弾みで、自分の左手を切ってしまった。
「痛っ…!」
腕からは、真っ赤な血が流れてきた。
「葵…!ごめんっ…!」
慌てる愛結。
私は、そんな愛結の頬を力一杯叩いた。
バシッ
鈍い音がする。
「痛…」
「今、何しようとしてたの!!?」
私は、愛結に怒鳴りつけた。
「もう嫌なの!!芽依美のとこに行かせてよ!!」
愛結が、泣きながら叫んだ。
私の手からカミソリを奪い、再び自分の手首に押し当てる。
「愛結っ!!!」
必死で愛結の手を掴む。
愛結は抵抗する。
「私を一人にしないでよっ!!!!」
その一言で、愛結の手は止まった。