あの日の空を,もう一度…
「芽依美が…エイズ…!?」
「ウソだよ…っ!」
芽依美のお母さんは,目を腫らして必死に説明してくれた。
芽依美は,6歳のとき事故に遭い,大怪我をして輸血をしたらしい。
恐らくそれが原因だという。
芽依美は発症までまだ時間があるため,これからは発症を遅らせる治療を行っていくらしい。
そして最後に医師は,こう言ったという。
『恐らく,長くは生きれないでしょう』
と。
私はその場にしゃがみこんだ。
愛結は涙を流している。
ありえない。
あんなに元気だった芽依美が…死ぬ?
うそでしょう??
私はその日,
今まで生きてきた中で一番泣いたかもしれない。
涙は,いつまでも出てきた。
その涙が,
芽依美はHIVなんだ
という信じたくない事実を強調してきた。