Heaven


だから俺は弱いのだ。
だから俺は未熟者なんだ。

何も言えなくて、
一人でもがき苦しんで。

『俺はただ…美羽のことが知りたいんだ…』


下を向いたまま小さく呟く俺。
その言葉を聞いていた美羽がまた冷たくこう言う。


『知ってどうかなるの?あんたにあたしの傷は癒せないって言ったでしょ?あたしが求めているのは、あんたじゃない』


心に響く美羽の言葉。
その言葉を聞いた俺はひどく悲しくなる。
トドメを刺されたよう。もう無理なようだ、と諦めらかけていた。

再び何も言えなくなった俺は、黙ってしまう。
美羽には話しかけないでおこう。

今、美羽になにか言っても届かないから…

なにも─…


ふと前を見ると、ヒカルの隣の席のさくらの席が空席だった。
やはり、休んだか…と、悔しい気持ちを露わにして、さくらの席を見つめる。


さくらは立ち直れるのだろうか?
さくらが心配で仕方がない。



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