Heaven
部屋に着くとカーテンは閉まったままだった。
隙間から光がチラチラと見える。
暗い、部屋。
まるで今の俺の心を写しているよう。
いいんだ、もう。
電気も点けずに、ばたんとベッドに倒れ込む。
瞳からはまだ涙が流れていた…
改めて気付いた。
俺は無力なのだと。
だから美加を幸せに出来なかったのだ。
だから美羽に辛い思いをさせたのだ。
謝って済む問題じゃない。
空腹などどうでも良かった。
今願いが叶うなら─…
俺は自分の幸せよりも、美羽の幸せを願うだろう。
陸を─…
生き返らせて下さい。
でも俺はまだまだ本当に無力だったのだ。
美羽は陸を連れ去った、この世界よりも、運命よりも、自分自身を恨んでいたのだから─…
…泣き疲れて俺はどうやら寝ていたようだ。
起きた時は、部屋が真っ暗で、どこに何があるのか分からないでいた。
俺は暗闇の中、立ち上がり、電気を点ける。