Heaven


やっぱり考えてしまう。遥斗と会話をしている今でさえ、心のどこかでは考えている。
俺はすぐ顔に出てしまう。
だから遥斗に気付かれるんだ。

床では咲夜と晴夜が仲良く寝ている。
その寝顔は本当に天使のよう。
羽があれば完璧だ。

空が茜色に染まっていく時刻。


『雅、ちょっといいか?』


遥斗は俺の腕を掴み、
リビングから出ていく。俺はただ遥斗の後ろ姿を見つめ、素直についていくだけ。


『遥斗、なに?』


遥斗につれてこられた場所は、リビングの向かい側にある和式の部屋だ。畳の独特な匂いが漂っている。

遥斗はドアを開け、縁側へと座る。
そして俺を見てきて、目で『座れよ』と合図をしてきた。

それに従う俺。

空は茜色。
雲も茜色。

世界が、街が茜色に染まっていく。

まるで誰かの恋を色で表したよう。

鮮やかなで、屈託などなくて─…



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