Heaven
一緒になろうと思って結婚して、だけど実際に生活してきて、価値観のズレや、不満が溜まって離婚をしてしまう。
そういう人たちが周りにいるから、信じられなくなっているんだ。
『雅?どうかした?』
すると牛乳の入ったグラスを持った母さんが俺の顔を覗き込んできた。
『考え事だよ』と言って、母さんからグラスを受け取った。
一口牛乳を飲む。
たちまち口の中は牛乳の味で埋め尽くされる。
牛乳は好きでもない。
でも嫌いでもない。
普通。そう普通。
目の前には色とりどりのサラダや、鮮やかな黄色の黄身と真っ白な白身、2つの色しかない目玉焼き。
そしてキツネ色をしたトースト。
俺は全てをお腹の中へと入れる。
『雅、今日は入学式だな。清修高校じゃなくて本当に良かったんだよな?』
『う、うん。だってここからじゃ遠いし』