Heaven


この恋の色は誰のだろう?と見ながら考えていた。


『なにかあったか?お前ずっとぼーっとしてるけど』


バレていたか。
隠していたつもりなのに。
俺はこう思いながら、下を向いて小さく頷く。
小さい頃から俺は遥斗に嘘をつけないでいた。
嘘が下手という理由もあるが、遥斗は俺に対して真っ直ぐで…
俺も遥斗には真っ直ぐでいたいから…


『もしさ…気になる子に好きな人がいて…でもその人はこの世界にいなかったら…遥斗ならどうする?』


苦しかった気持ちが話すことによって少しだけ和らいでいく。

これはいいことだ。
隠さず、自分の中に溜め込まないで、周りの人をもっと頼っていいと思う。
自分も楽になる。
そして答えが見つかるかもしれない。


『俺は気になる子の好きな人を超えるように努力するかな。だって負けとか悔しいし?その子のことが本当に好きなら…俺は諦めない』


< 120 / 424 >

この作品をシェア

pagetop