Heaven


いつも遥斗は真っ直ぐな意見を言う。
迷いなど微塵も感じられないような、大人な意見。
色々な経験をしてきたからそのようなことを言えるのだろうか?

本当は経験など関係ないんだ。
経験が浅くたって、
恋愛は出来る。

経験がなくたって、
人を愛せるのだから。

遥斗はこう言っているように聞こえた。
その言葉に俺は救われるのだ。
未来が、光が…
見えてくるのだ─…


『でも、その子には本当に好きな人がいるんだよ?俺は超えることなんて…出来るわけないよ…』

弱音を吐き、縁側から見える庭の芝生に目を移す。
緑は目の保養になるから。
安らぐんだ。心も体も。

『雅が出来ないって思うなら出来ないんだろうな。もし、雅が出来るって思ったら…なにか変わってこないか?』



なにか…変わる?
遥斗が言いたいことはこうだ。
マイナスのことばかり考えていると、自分自身もマイナスになり、
全てがうまくいなかいということ。


< 121 / 424 >

この作品をシェア

pagetop