Heaven
さくらの隣に行って、
俺も部屋にある空を眺める。
ふとさくらを見ると、先ほどよりゆっくりとした速さで一粒涙が零れ落ちた。
きっと感動しているのだ。
爺ちゃんの写真には不思議な力があるから…
『すげぇだろ?これ俺の爺ちゃんが撮ったんだ』
『本当にすごいよ…なんか…上手く言えないけど、心が癒される気がする…』
やっぱりそうだよね。
俺の部屋に来たことのある人はみんな言うから。だから尊敬するのだ。
爺ちゃんを。
『さくらあれから大丈夫だったか?』
この写真を見て、さくらの心に少し余裕が出来ただろう。
だから俺はベッドに寝ころび、枕を抱えながら、写真を見つめるさくらに聞いた。
さくらは力が抜けたようにその場へしゃがみ込んだ。
『さくらね…ヒカルを忘れられること出来ないの。ヒカルは、さくらに色々してくれたから…』