Heaven
俺の知らないことでもあるのか。
さくらは少しずつ、
ヒカルとの思い出話をしていく。
『さくらいきなり転校しちゃったじゃない?本当はヒカルと雅と別れたくなかったけど、仕事の都合だから仕方ないじゃない?』
さくらの話を真剣に俺は聞いていた。
徐々に部屋の中が明るくなっていく。
太陽が完全に起き出したのだ。
カーテンから光が射し込む。
その光が、進む道を照らしてくれているようだ。
『うん、それで?』
『いつだったかな…中学生になったときのある日、ヒカルから電話があったの』
知らなかった事実。
ヒカルはさくらに電話していたんだ。
でもなぜ?
『ヒカル電話番号知ってたんだ?』
『さくらもびっくりしちゃって。なんかお父さんに聞いたみたい』
そんなこと知らなかった。
ヒカルが俺に隠してさくらと連絡をとっていたなんて。
俺だけ仲間外れでいい気分ではない。