Heaven


素直に受け入れることの出来ない俺がぽつんと屋上に存在した。
これは美羽のものだが、美加との思い出の品を久しぶりに見たから孤独なのではない。

美羽が陸を好きすぎるから孤独なのだ。
昨日遥斗が言った言葉を思い出す。

…相手を超えればいい。

無理だよ、と俺は思う。いなくなった陸をまだ美羽は好きなのだ。
このネックレスがそう言っている。
じゃあどうすれば?
…分かるはずがない。


すると突然、勢いよく屋上のドアが開いた。
俺はとっさにそのネックレスをズボンのポケットに入れ、ドアの方に体を向ける。

そこには息を切らしたヒカルがいた。


『ヒ…ヒカル…』


息を整え、金色の髪の毛の間から俺を見る。
その格好良さに、たちまち体は金縛りのようになる。


『さ…さくらは?!あいつまた…泣いてただろ!?』



どうしてヒカルはさくらに対してこんなにも必死なのだろう。


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