Heaven
こう考えていたら先生が教室に入ってきた。
二時間目は沢村先生の数学の授業のよう。
早速教科書を出して、と指示をする。
俺は鞄から数学の教科書を取り出し、机の上に置いた。
でもそれどころではない。
三人共どこへ?
不安が募る。
もしかしたらヒカルはさくらと会えて二人で話しているのかもしれない。二人の想いは繋がっているのだから…
でもどうしてヒカルは美加と絡む?
それが分かるのは、少し経ってからだった…
美羽はきっと泣いて陸を見ているのだろう。
教室に先生の声が響く。俺はまともに集中出来るはずがない。
気になって、気になって…体がそわそわしている。
授業が始まり30分以上経つが一向に三人は戻って来ない。
でも今更教室を出て探しに行ける状態ではないし…
『あーもう!!』
俺は頭を抱えて下を向く。
そんな俺に気付いた先生は笑いながら俺に注意をする。
『雅、うるせぇぞ』
するとたちまち俺はクラスの笑いものなのだ。