Heaven


前に春はこう言った。
『あとは美羽に聞け』と。
だけど美羽は教えてくれないだろう。
俺を嫌いだろうから。

俺は時計を真っ直ぐ見て、学校が終わったら春の所へ行こうと決心をした。
そしてネックレスのこと、陸のことを聞きに。
それともう一つ、新しく芽生えた感情を言いに行こう、と。


窓から覗く暗い空は、
なにを表している?
陸の感情かもしれない…

…昼になっても、天気は変わらなかった。
今にも雨は降りそうなのに、降ってはこない。
俺は昼食を食べに、食堂に向かう。
でも一人では食べたくはない。
自分の身勝手な意見。
ヒカルとは未だに喧嘩中。
知り合いはヒカルしかいないから、結局一人になってしまうオチなのだ。

するといきなり誰かに腕を引っ張られた。
バランスを崩し、体が倒れそうになるが、足で体勢を整える。

俺の腕を引っ張ったのは…ヒカルだった。


『ヒカル?』


『ちょっと来い』


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