Heaven
今分かったよ…
俺の気持ち。
美加に気持ちがあったはずなのに今はない。
俺の頭や心を埋めるのは─…キミなんだ…
美羽…
『…俺の心臓すげぇ鳴ってる…』
『その気持ちを大切にしろ。無くさないようにな』
ヒカルは赤い頬のまま俺を見る。
やはりそんな姿のヒカルを見たことのない俺は、戸惑ってしまい、ついには笑ってしまう。
『ヒカルがそんな顔するとか想像つかねぇし!』
『ばっばかじゃねぇの!』
ヒカルは恥ずかしくなったのか、顔をぷいっとそっぽを向ける。
そして手で顔を包み込み、熱さを手の冷たさで冷やしていた。
今のヒカルの方がいつものヒカルより何倍も格好いい。
また…惚れてしまうじゃねぇか。
まぁそんな趣味はないけれど。
俺は必死なヒカルの後ろ姿から視線をずらし、暗い空を見上げる。
そして大きく深呼吸するんだ。
『待ってろよ、陸…』