Heaven
~7.惹きつける写真~
まさかヒカルが美加の前でこんな表情を見せるなんて…初めてだろう。
だから美加は固まっているのだ。
きっと彼女の頭の中は真っ白になっているに違いない。
俺も美加と同様、固まっていた。
俺は息を潜めて、
二人の光景をじっと見る。
『…美加は本当に俺のことが好きなのか?』
『当たり前でしょ?あたしはずっとヒカルだけだよ』
綺麗に巻かれた髪の毛を指先でクルクルと遊びながら美加は笑いながら言う。
ずっとヒカルが好き…
美加のこの言葉を聞いた途端、心の奥がチクリと痛む。
まだ忘れてないのかな?
誰も通らない廊下が余計、静けさを誘う。
もう…夕日が街から姿を消そうとしていた。
『ひとつ聞いていいか?美加は雅のこと…好きだったか?』
ヒカルから飛び出した言葉は当然俺にまで届いている。
疑った。自分の耳を。
何を…言い出すんだ…?
これがヒカルが考えていた…《おもしろいこと》だった。