Heaven
今から起きようとしていた。
ごくんと唾を呑む俺。
どくんと弾む心臓。
手には汗が滲み出てくる。
美加の答えが知りたい。
そしてゆっくりと美加が口を開いた。
俺はその言葉に失望をする。
『雅ぃ?雅のことなんて少しも好きじゃなかったけど?』
…嘘だろ?
この言葉がぐるぐると頭の中を泳ぐ。
信じたくない…
だけど本人が言うのなら間違いはないのだろう…
でも、何で?
何で美加は俺に告白してきたんだよ…
『じゃあ何で告白したんだよ?好きじゃねぇならしなきゃいいだろ?』
鋭い目つきで美加を睨みつける。
すると美加はそんな怖いヒカルに動じず、口に手を当てて、高い声を発し、笑い出した。
ヒカルの表情より、怖いと思わせる女の裏側。
背筋がぞっとした。
『好きじゃないわよ?悪い?好きでもない人に告白して何が悪いの?あたしはずっとヒカルが好きだったんだから。雅はヒカルに近付くために利用しただけよ』